令和2年度 1学期終業式 校長訓辞


~有意義な夏休みを送るために~

 新型コロナウイルスに振り回された1学期が今日でようやく終わります。 全国に緊急事態宣言が出されて経済活動が停滞したり、世界的な感染拡大の動きのなかで東京オリンピックが延期になったりするなど、社会全体に大きな影響がありました。
 学校生活においても、1か月を超える臨時休業や、学年別の分散登校など、これまで経験したことがないようなことがたくさんありました。特に1年生は、高校生活に慣れる前に登校できなくなってしまったために、学習や人間関係の面で不安な気持ちになった人も多かったのではないかと思います。また、3年生のなかには、県総体やインターハイをはじめとする各種の部活動の大会が中止になったため、完全燃焼できずに部活動を終えなければならなかった人もたくさんいると思います。
 大変な1学期でしたが、このような状況の中でも、自分自身を成長させることができたかどうか、振り返ってみてください。
 1年生は、高校生活に慣れ、落ち着いて勉強や部活動に取り組むことができるようになったでしょうか?
 2年生は、生徒会や部活動など、学校の様々な活動の中核となる立場にあることを自覚し、リーダーシップを発揮できるようになったでしょうか?
 3年生は、自分の進路目標を実現するために、本気になって勉強に取り組むことができるようになったでしょうか?
 今日のような節目に当たる時に、様々な視点で振り返り、自分自身を成長させるために改善に努めてください。

 さあ、いよいよ明日から夏休みです。例年以上に短く、17日しかありませんが、有意義な夏休みにしてください。そのために、生徒の皆さんには2つのことを心がけてほしいと思います。
1つ目は、「自分の身は自分で守る」という意識をもち、健康や安全に留意してほしいということです。新型コロナウイルス感染症は、再び全国的に感染拡大の動きを見せています。島根県でも7月に入り、雲南市や出雲市で感染者が判明しています。手洗いや消毒、マスクの着用、いわゆる三密を避けるなど、夏休み中もこれまでの基本的な感染症対策に引き続き心がけてください。併せて、これからは熱中症にも気をつける必要があります。また、夏休みには気持ちの緩みから、交通事故やネットトラブルなどが起こりがちです。病気になったり、事故を起こしたり、事故に巻き込まれたりしないように、「自分の身は自分で守る」という意識をもって、十分に気をつけてください。
 2つ目は、自分の進路についてじっくり考えるとともに、進路希望を実現させるための実力をつけてほしいということです。3年生は、補習や登校学習を活用し、家庭学習時間を十分に確保して、自分の目標に向かってただひたむきに勉強するしかありません。1・2年生には、例年、オープンキャンパスへの参加を勧めていますが、今年は学校によって対応が異なるようです。例年どおり実施する学校もあれば、webで行う学校もあります。自分が進学を希望する学校について調べ、最低でも2つは参加して比較してみると良いのではないかと思います。進学先への思いが強まり、勉強に向かう意欲が高まるきっかけになります。自分の進路について迷っている人もいると思いますが、最終的にどのような進路選択をすることになったとしても、自分に実力がなければ、目標を達成することはできません。どのような進路選択をしても大丈夫なように、1年生のうちからやるべき勉強をしっかりやって、実力を身に付けておくことが大切です。夏休み中は、家庭での学習時間を十分に確保し、計画的に学習に取り組むことによって、しっかりとした実力をつけてください。皆さんには大きな伸びしろがあります。しかし、伸ばせるかどうかは皆さんの努力次第です。夏休みの学習の成果は、課題テストや模擬試験で示してください。

 8月18日、2学期の始業式の日に、充実した夏休みを過ごすことができた、元気な皆さんに会えるのを楽しみにしています。