令和元年度 第71回卒業式が行われました
2020年03月04日
令和元年度 第71回 卒業式が挙行され、153名の卒業生が各々の進路に向けて巣立っていきました。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、卒業生とその保護者、教職員のみでとりおこなわれました。
退場では教職員が花道をつくり、卒業生を見送りました。
令和元年度卒業式 式辞
宍道湖を遥かに臨むこの愛宕山にも、少しずつ春の息吹が感じられるようになってきました。この早春の佳き日に、島根県立平田高等学校 第71回卒業証書授与式を挙行できますことを、大変嬉しく思います。
しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、出席者を限定することとなり、たくさんの来賓の皆様や在校生と共に盛大にお祝いすることができなくなりました。
誠に残念であり、また、卒業生並びに保護者の皆様には申し訳なく思っておりますが、ご理解いただきますようお願い申し上げます。
先ほど卒業証書を授与いたしました153名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。教職員を代表して心よりお祝いを申し上げます。
保護者の皆様には多数ご出席いただき、ありがとうございます。お子様が本校の3か年の課程を修了され、晴れの卒業の日を迎えられましたことを、心よりお喜び申し上げます。たくましく成長されたお子様の姿を改めてご覧になられて、感激も一入のことと思います。この3年間、本校の教育活動にご理解、ご協力を賜り、感謝申し上げます。
また、PTA会長 山口勝秀様にはご臨席を賜り、卒業生の前途を祝福していただけることに、高いところからではございますが、厚く御礼申し上げます。
さて、卒業生の皆さん。皆さんは、本校に入学以来、学業はもちろん、学校行事や部活動などの様々な活動に一生懸命取り組み、心身ともに大きく成長されました。今年度は、最上級生として日常の学校生活の模範となり、鈴懸祭などの学校行事や部活動においてはリーダーシップを発揮してくれたことを、とても嬉しく思っています。また、皆さんは、名古屋研修旅行やクラッシーを導入した一期生であり、2年生の時には、文部科学省「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」に申請するきっかけとなった「地域課題解決学習」に取り組みました。こうした様々な新しい教育活動を通して、皆さんはさらに力を伸ばしました。これからは、本校で3年間学んだことを土台にして、将来の目標に向かって、それぞれの道をたくましく歩んでいってほしいと思います。
高校卒業という新たな旅立ちの日に、皆さんに3つのことをお願いして、私からの贈る言葉とさせていただきます。
まず一つ目は、「生涯にわたって主体的に学び続けてほしい」ということです。
近年、人口減少を伴う少子高齢化、技術革新の進展による情報化、あるいはグローバル化といった社会的変化が、急速に進展しています。今後は、人工知能やインターネットの発達が、社会を大きく変えていくと考えられています。社会の変化は加速度を増し、複雑で予測困難となり、学校で学んだ知識だけに頼っていては対応することができなくなります。このような時代だからこそ、変化に主体的に関わることを通して、自分の人生をより豊かなものにしていく力を身に付けることが求められます。急速に変化する時代の波に押し流されることなく、夢の実現に向かって自分らしく生きていくためには、生涯にわたって様々な事柄から常に学び続ける姿勢をもつことが必要です。そして、自分らしく生きていくことと同時に、皆さんは、これからの社会をより良いものにしていくという役割も担っています。社会の一員としての責任を果たすためにも、生涯にわたって主体的に学び続け、世の中の動きに対して意見が言える人になってほしいと思います。
二つ目は、「多様な人々と積極的に関わってほしい」ということです。
現代社会においては、価値観やライフスタイルの多様化が進み、人間関係が希薄になっていると言われます。しかしながら、私たちは自分一人の力だけで生きていくことはできません。社会に出れば、これまでのように同世代ばかりでなく、幅広い年齢層や立場の異なる人たち、また、グローバル化の進展に伴って文化の異なる人たちとも関わる機会が生じます。先行きの不透明な時代であるからこそ、これからの社会をより良いものにしていくために、身の周りに起きている様々な問題の解決に向けて、多様な他者と力を合わせ、状況に応じて最適な解決方法を探り出していくことが必要です。そのためには、常に他者を尊重し、その人の立場や気持ちを思いやり、お互いに認め合わなければなりません。このような関係を築くためには、自分の心を開いて素直な気持ちで接することが大切です。多様な人々と関わることを通して、自分自身の視野が広がり、様々な視点から物事を考えることができるようになると思います。そのことが、皆さんの人生をきっと豊かにしてくれるはずです。
そして三つ目は、「平田高校や平田地域の応援団になってほしい」ということです。
私はたくさんの卒業生の方々と関わらせていただいています。地元はもちろん、全国各地の卒業生の皆さんに母校のことを気に懸けていただいていることを、とてもありがたく思っています。皆さんも、これからは母校を支える応援団の一員となっていただきますようお願いします。また、学校の教育活動は、地域に支えられて成り立っています。昨年度より「地域から信頼される、魅力と活力のある学校づくりの推進」を学校目標として掲げ、様々なことに取り組んできました。本校は、平田地域にある唯一の高等学校ですから、地域の将来を担う人材を育成する教育機関として期待されています。皆さんには、進学や就職のために一度はこの地域を離れたとしても、いつかまた、力をつけて戻ってきてほしいと思います。また、この地域を離れて生活することになったとしても、いろいろな形で地域の活性化に貢献してくれることを期待しています。
以上、「生涯にわたって主体的に学び続けること」、「多様な人々と積極的に関わること」、「平田高校や平田地域の応援団になってくれること」の3つを、卒業生の皆さんにお願いしておきます。
近年、部活動の活躍や文部科学省の事業に関わる取組など、本校の話題が新聞やテレビに取り上げられる機会が増えています。「平田高校は今、島根県で最も勢いのある学校だ」と言われています。卒業生の皆さんには、本校で学んだことを基盤にして、自信をもってこれからの人生を歩んでほしいと思います。最後に、本校を巣立っていく皆さんが、心身ともに健やかに、自らの人生をたくましく切り拓いていってくれることを願って、卒業式の式辞といたします。
令和2年3月3日
島根県立平田高等学校
校長 坂 根 昌 宏
在校生送辞
卒業生答辞
花道をつくり卒業生を見送る教職員
朝は美しい虹がかかりました