校長のひとりごと R7.5.19
2025年05月19日
※「ハインリッヒの法則に学ぶ」
地域の方々から本校の生徒は「よく挨拶をしてくれる」という言葉をいただくが、一方においては「ヘッドホンで何か聞いてるせいか、挨拶しても返してくれない」という話も聞く。これが自転車通学生なら、2026年からは車やバイクと同じように『青切符』が導入され、5000円程度の反則金を支払うことにもつながるな、とも思い浮かんだ。学校としても「○○はしてはいけない」「反則金を払うことになる」といった指導ではなく、「自分は大丈夫」、「自身がよければ」の意識改革も含め「KYT(危険予知トレーニング)」等の指導方法への切り替えが必要かもしれない。
昨年度から先生方には「ヒヤリハット事例の共有」をお願いしている。先日、東京における理科実験中に生じた案件のニュースもあり、今朝の職員朝礼でも再度お願いしたところである。「ヒヤリハット」とは「ヒヤッとした、あるいはハッとするような、一歩間違えれば重大な事故につながる出来事が起こったものの、結果として重大な事故の発生までには至らなかったケース」が該当する。学校生活においてもヒヤリハットの事例は決して少なくない。「1件の重大な事故の背後には、29件の重大な事故には至らなかった軽微な事故、さらにその背後には300件の事故寸前だったできごと(ヒヤリハット)が隠されている」とするハインリッヒの法則は有名である。
様々な業界においてもヒヤリハットから学ぶ取り組みが多くなされている現状において、学校も決して例外ではない。自転車や自動車の運転を含め、生徒・教員ともに学校生活で生じたヒヤリハット(校舎内でのつまずきや転倒、体育や部活動中のケガ、ふざけ行為による校舎の設備破損、不適切な言葉遣いによる意思疎通誤解など)を共有し、現実味のある危険認識を高め、具体的な対策を考えることに努力したい。とはいえ、共有の先にある学びの時間の確保がまずのしかかる。加えて、企業における具体的なKYTとは異なり、日常生活をも含む学校の安全管理は多岐に及ぶ。何をどこまで検証するのか、加えて再発防止のためとはいえ、必要以上にマニュアルやルールを増やすことも避けたいが…。