「花を咲かせよう」(書き起こし)

おはようございます。令和6年度3学期の終業式を迎えることができました。

この一年をふりかえってみて、今の気持ちはどうですか?やり遂げたという充実感はありますか?この1年、皆さんの気持ちを一歩でも前にと思い、始業式や終業式を通じて、4月は「今年1年 元気で行こう!」、7月は「“なぜ?”の心を呼び戻そう」、9月は「有言実行のススメ」、12月は「元素記号はC」、1月は「挨拶は相手よりも先に」という内容で皆さんにお話しました。

そのような中で、この一年、皆さんが本当に頑張ってくれたと私は思います。ひとつは挨拶、皆さんから先に挨拶を聞けることが1月以降間違いなく増えました。地域の方からも「平高生はあいさつがいい」と聞いています。挨拶することの意味も考え継続を願います。

二つ目は先日、探究成果発表会がありました。発表や最後の振り返りの時に、皆さんの口から、「チャレンジ」「失敗」という言葉が随所に出てきていたこと、素直に嬉しかったです。また、1年生に「後を受け継いでくれ」というエールまで。頼もしく感じました。

三つ目は部活動、体育・文化を問わず「全国大会出場」をかなえた部活動も多かった。また、県内大会や中国大会でこれまでに成し遂げられなかった成果を出せた部活動も多かった。今日の剣道の表彰はまさしくでした。4月からは、さらなる目標を設定して前進してください。

皆さん、3年生に、2年生に進級、4月もいよいよそこまで迫っています。ここでもう一度、自分がなぜこの平田高校に入学したのか、心の中でしっかりと整理して4月を迎えてください。そして、始業式の時には元気な皆さんに会えることを楽しみにしています。

さて、これで話が終わったら短すぎますよね。今日は例え話をひとつ。皆さん、ここに花の種があるとします。きれいな花を咲かせるにはどうしたらよいですか?まず土に植える、水をやる、日光に当てる、必要であれば肥料を与える等ですよね。適切な世話ができればきれいな花が咲くことでしょう。そこで自身を種に例えてみませんか。皆さんはまだまだ様々な可能性を秘めた種です。どうですか、自らを咲かせるために水や肥料をしっかり、そして適切に与えていますか?私自身の経験からお話しすると、小学校4年生くらいまではだらだらとした生活を送り、運動もからっきしだめな子どもでした。見かねた担任の先生が「秋の陸上大会の練習におまえも出ろ」と半ば強制的に参加させられました。同級生たちがグランド5周走る間に私は3周くらい、坂道のダッシュ10本終えるところで私は半分くらいしか終わらない状況がずっと続き、いつ怠けようかと考えていました。ですが、先にグランド走や坂道ダッシュを終えた同級生たちが「おまえが終わるまで付き合うぞ」と一緒に走ってくれたのです。気持ちは一変、よい友達に恵まれて、私は練習を続けました。結果、6年生になったときにはその学校で最速になっていました。決して自慢ではありませんが、周囲の助けと自らの意識改革、すなわち適切に水や肥料を与えることができたからこそ、種の中に秘めていた「走る能力」が開花したと感じている経験です。

皆さんも自らの可能性を信じ、4月には「こんな花を咲かせたい」というイメージをしっかり持って新年度を迎えてください。適切な水やりや肥料与え、すなわち自身に秘めている可能性を引き出す行動、自身の強みをさらに伸ばす努力を怠らないことを期待します。

あらためて、4月の始業式には元気に会いましょう。