令和6年度3学期始業式式辞:書き起こし
2025年01月10日
「あえて、お話ししておきます」(令和6年度第3学期始業式講話)
皆さん、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
2学期終業式がオンライン実施でしたので、今日は張り切ってと思っていましたが、この寒さ、加えてインフルエンザ等の蔓延予防もあり、残念ですが、今日も皆さんの顔を見ながらの話はできません。多少モチベーションが下がったわけではないですが、今日は本校ホームページに私が11月に掲載した内容をあえてこの場でお話しします。
10月頃から廊下のロッカー上に無造作に置かれる教科書の類いが減ってます。ある特定の生徒のものは相変わらずなので意識して欲しいと思いますが、全体として皆さんの意識の高まりと先生方の指導の賜と感じていました。しかし、11月中旬の校内巡回中にベランダ通路に吐き捨てられたガムを見つけました。実は4月に着任以来、校舎内でこのような光景は見たことはありませんでしたので、私にとってはかなりショックでした。ですが、これがきっかけとなり35年前に出会ったA先生のことを思い出しました。
A先生は書道の非常勤講師、75才くらいであったと思う。授業20分前に書道教室に行き、授業準備や教室を掃除、授業開始5分前には教壇近くで姿勢を正し、入室する生徒を見守り、そして穏やかな口調の挨拶で授業を始められていた。このA先生は自らの生き方は『「正時、正場、正礼」を実践することだけ、これが相手を大切にすることですかね』といつも話してくれました。
「言うは易く行うは難し」ではあるが、今日からできる一つのことを徹底すること、平凡なことを徹底してやることがはじめの一歩、自分をチェンジする踏み込みの第一歩となると思う。「いま、ここ」でやれることを、やれと言われてやるのではなく、自ら気付いて行うことが大切ですよね。
【正時】とは時間を守ること。相手を尊重するとともに自分が信用を積み重ねることにつながる。実践目標としては、学校の時程を意識して予定開始時間前には姿勢を正し、心を静め、開始を待つことから始めてみては。出雲時間はなかなか通用しませんよ。
【正場】とは掃除をすること。掃除をすることの意味は、気づく人になれる、心を磨く、謙虚になれることにつながる。実践目標としては一つでも足元のゴミを拾うこと、もしくは清掃の時間に本気で取り組むことから始めてみては。
【正礼】とは挨拶や返事をすること。挨拶は人間関係を円滑にすることにつながる。実践目標としては、挨拶は相手よりも先に、相手が聞こえる適度な大きさの声で、そして呼ばれたら「ハイ!」の返事から始めてみては。
皆さんは「正時・正場・正礼」について、吐き捨てられたガムや1mの至近距離で大声過ぎる挨拶等も見受けられるが、私が思うにある程度は実践できているように見える。生徒の皆さんに限らず教職員もこれらを意識することによって自らを、そしてこの集団生活を行う場を2025年はより高めてほしいと思います。
さあ第三学期のスタートです。1/2年生は進級に向けてしっかりやるべきことをおこない、気持ちよく上級学年へと進む準備をしてください。3年生は共通テストや受験、加えて卒業準備ではありますが、多くの人はすでに18歳、民法上の成人年齢に達しているはずです。大人の自覚を深める時期ともしてください。