「元素記号はC」(令和6年度第2学期終業式講話)

 皆さん、おはようございます。校長の野津です。

 寒さが厳しくなってきましたが、体調管理していますか?インフルエンザも流行し、本校でも学級閉鎖を行ったところです。どうか、基本に戻り必要に応じて手洗いやマスク等も含めて、健康管理には十分気をつけてください。そのような事情もあって、今日は皆さんの顔を見て話をすることができません。残念ですが、画面越しで皆の表情思い浮かべながら話します。

2学期は1年で最も長い学期でしたが、学園祭に始まり、2年生の研修旅行、球技大会まで。また、3年生においては年内受験など慌ただしく過ぎていきました。また、多くの部活動の活躍にも心躍った学期でした。どうですか、この2学期充実していましたか?充実していたなら、どんな努力をしましたか?あるいは努力へ向かわせてくれたきっかけや失敗はどのようなものでしたか?

ダイヤモンドという宝石があります。知っていますよね?ダイヤモンドを構成する元素は…C、Cわかりますよね?Cは炭素です。炭素と言えば、石炭や鉛筆の芯の原料でもありますが、同じ素材のものがどうすれば輝く天然のダイヤモンドとなるのか。

ある本で調べてみると、それは炭素が何万年も、地中深くで、強大な圧力とマグマの高熱にさらされ続けることで生成されるそうです。ダイヤモンドは「世界で一番硬い石」と表され、「輝き」を放ちますが、それは過酷な環境を耐え抜いてきた証とも言えます。私たち人間も同じではないでしょうか?私がこれまで出会った人々から判断すると「特段の苦労をせずに、夢や希望を実現させた人」は極々わずか。人は多くの経験の中で、苦労し困難を乗り越えて成長し、考えを高めつつ技能や資格などを獲得することができる。どうか、皆さんも単に楽な方へ、あるいはいずれ考えれば良いという方向へ流れてしまうような、お気軽な生き方は避けて欲しい。自由や楽しさが強調される今、昭和生まれの人間が古くさいことをと感じるかもしれませんが、令和の今でも経験が自らを昇華させるという基本的な人間の営みに変わりはないと私は考えています。

ですが、一方において私たちは日々の生活の中で様々な理由から、無意識のうちに心のリミッター、自らを抑止する意識が働いている可能性もあります。周囲の状況も含め、自らの現状を今一度吟味しましょう。その上でリミッターを外して、自らが輝くための夢や希望に向かう2025年を思い描いてみませんか。第一歩どこから踏み込むか、一人ひとりの興味や関心は様々ですが、黒い炭素であり続けるか、失敗・努力・前進を重ねてダイヤのごとく輝いてみるのか。この冬休みに考えてみませんか?自分の人生は自分に任されています。繰り返します。自分の人生は自分に任されています。自分が踏み出さないことを他者のせいにすることなく、一歩踏み込みましょう。もう一度、自分の人生は自分に任されています。

最後に一度確認しておきます。4月には「失敗を恐れず元気に一歩踏み出そう」、「元気ですか」、7月には日常のふとしたなぜを大切に「なぜを取り戻そう」、8月には自分の目標をあえて言葉として誰かに伝えることで「有言実行のススメ」を、そして今日は「自分の人生は自分に任されている」をお話ししました。

あらためて、冬休み期間中、体調管理には十分留意してください。そして、自身を振り返り、あらためて興味や関心を探り、2025年に向かって前向きに一歩踏み出すきっかけ探しをしてくれるとうれしいです。

以上