校長のひとりごと R6.11.27
2024年11月27日
※「吐き捨てられたガムを見て」
10月頃から廊下のロッカー上に無造作に置かれる教科書の類いが減っている。生徒の意識の高まりと先生方の指導の賜と感じていた。しかし、昨日校内巡回中にベランダ通路に吐き捨てられたガムを見つけた。実は4月に着任以来、校舎内でこのような光景は見たことがなかった。わたしにとって決して些事でなかったことは言うまでもないが、これが機縁となり初任の頃に出会ったT先生のことを思い出した。
T先生は書道の非常勤講師。授業20分前に書道教室に行き授業準備や教室を掃除、授業開始5分前には教壇近くで姿勢を正し入室する生徒を見守り、そして穏やかな口調な挨拶で授業を始められていた。このT先生は自らの生き方は『「正時、正場、正礼」を実践することだけ、これが相手を尊重することですかね』といつも語られていた。後に知るのだが、この言葉は教育学者:森信三氏の提唱した職場(学校)再建の3原則とも言えるべきものであった。
「言うは易く行うは難し」ではあるが、今日からできる一つのことを徹底すること、平凡なことを徹底してやることがはじめの一歩となると思う。禅の思想でもあるが「いま、ここ」でやれることを惟みることが大切である。(以下は野津の私的な解釈)
【正時】とは時間を守ること。相手を尊重するとともに自分が信用を積み重ねることにつながる。実践目標としては、学校の時程を意識して予定開始時間前には姿勢を正し、心を静め、開始を待つことから始めてみては。
【正場】とは掃除をすること。掃除をすることの意味は、気づく人になれる、心を磨く、
謙虚になれることにつながる。実践目標としては一つでも足元のゴミを拾うこと、もしくは清掃の時間に本気で取り組むことから始めてみては。
【正礼】とは挨拶や返事をすること。挨拶は人間関係を円滑にすることにつながる。実践目標としては、挨拶は相手よりも先に、相手が聞こえる適度な大きさの声で、そして呼ばれたら「ハイ!」の返事から始めてみては。
本校の生徒たちは「正時・正場・正礼」について、昨日の吐き捨てられたガムや1mの至近距離で大声過ぎる挨拶等も見受けられるが、私が思うにある程度は実践できているように見える。生徒のみならず教職員もこれらを意識することによって自らを、そしてこの集団生活を行う場をより高めてほしいと願っている。
今回も最後までお付き合いいただき、感謝。