※「たかが5分、されど5分」

 4月に着任以来、様々な場において『対応できるものは可能な限りスピード感を持って提案させていただきたいと考えます。』と話しています。
そのひとつとして、10月2日より昼休憩の時間を35分から40分に延長しました。多くの生徒からは「ハミガキの時間がない」、保護者の方からは「呼び出しなどがある日はお弁当を残して帰ってきて困る」といったような声も届いていました。しかし、学校においては、この「たかが5分」の捻出は非常に厳しいことでした。「授業時間45分にすれば…」と言われる方もいらっしゃるかもしれませんが、学習指導要領によって「単位については、1単位時間を50分とし、35単位時間の授業を1単位として計算すること」が標準とされていて、標準とはいえ、各学校でそう簡単に伸び縮みさせることができるものではありません。加えて、部活動等の放課後時間の保障や教職員の勤務時間もありますので、単純に5分を先か後にくっつけるというわけにもいきません。それでも先生方が様々なアイディアを出してくれたおかげでなんとか年度途中、そして始業・終業時間の変更なく昼休憩5分延長が実現できました。
とはいえ、この問題解決に向けた議論の中で他の課題も明らかとなりました。清掃時間の設定は現状のままでよいのか、昼休憩の生徒招聘や委員会開催はいかがなものか、より部活動等の放課後時間の確保に向かうならば終礼も不要では、ICT活用により朝礼終礼ともにより短時間化できるのでは等々。設定された時間で校外からおいでいただく講師の先生やサポーターも多いため、今回は年度途中10月からの大幅な時間設定変更はできないと判断しましたが、次年度4月に向け、皆のためになるプラスの方策があるかを吟味したいと思います。
さて生徒の皆さん、今回の時程変更をまず3月末まで運用します。この5分延長がどのように受け止められるか、しばし観察させてください。そして皆にはこの「されど5分」を実感してほしいものです。当然、食事時間や歯磨きの時間にあててもよいのですが、5分あれば3ページ分くらいの読書もできますよね。また眠気覚ましのストレッチや楽しいことを妄想するもありでしょうか。この「されど5分」→「プチ達成感の時間」として活用してもらってもよいかもしれませんよ。