校長のひとりごと R6.9.12
2024年09月12日
※「自分らしさ再考」
夏休みの思い出から一つ。私の前任校の生徒さんとその保護者、本校生徒の保護者が校長室を訪ねてくれました。「クレームはお断りですよ」という条件(笑)でお会いしましたが、会話は弾みあっという間の2時間でした。その際に生徒さんから「先生、学校変わってから、HPの校長のひとりごとの内容が校長先生らしくないですよ。」と、文章内容が堅いものとなり、私らしさが出ていないという指摘でした。確かに読み返してみると、その通りかも…。新たな学校での勤務、加えて前任校とは異なり私のふるさとではないエリア、地域の方の顔が間近に見える距離でもない等から当たり障りのない内容になっていたかも。
生活の中で「自分らしさ」を大切にと思っている人は多いと思いますが、「『自分らしい』とはどのような状態?」と考えてみると、スパッと答えられますか?「らしさ」はそのものの特徴が表れている状態を示す言葉、これに「自分」がつくことで、素の自分・個性・アイデンティティ・独自性・自分軸など、元々の自然な自分の状態を指していると思います。
それでは、自分にとっての自分らしさ(自然な自分)は?と自らに尋ねてみると「うーん」、私も答えに詰まります。書籍などを読んでみると自分らしさは次のような状態の時に発揮されている傾向が強いと示されています。
・自分の意見や考えを本音で話せる ・自分で思った通りの行動ができる状態
・周りの環境に流されない ・自分をさらけ出しても、周囲の理解がある
とは言え、自分らしさを発揮できているかという判断はとても難しいと思います。なぜなら、自分が考える「自分らしさ」とまわりが思う「あなたらしさ」は一致しないことも多いからです。私の校長室だより、前任校時代に作成したものは、まわりが思う「野津らしさ」であって、実は4月以降書いたものが自分が思う「野津らしい」内容なのかもしれません。このまま考え続けると深い森に迷い込みそうです。
一つ私が実感していることを書いて終わりにします。今回、生徒さんに「先生、学校変わられてから、校長のひとりごとの内容が校長先生らしくないですよ。」と伝えてもらったことで、私は振り返るきっかけをもらいました。周囲の期待に応えたい、その場の空気を読もう、あるいは地域の方から嫌われたくない等からの理由で配慮することは大切ですが、自分らしさを押し殺し、ストレスを溜めていたのではないか? 加えて、周囲の反応ばかりにとらわれ、逆に「自分の考えがない人」、「風見鶏みたいな人」と受け止められてはいないか?
自分が考える「野津らしさ」とまわりが思う「野津らしさ」のバランスもとりながら、自分軸を見極め、深い森からの脱出作戦を開始したいと思います。