令和6年度1学期終業式式辞:書き起こし
2024年07月26日
「“なぜ?”の心を呼び戻そう」(令和6年度1学期終業式式辞:書き起こし)
皆さん、おはようございます。大変暑いですが、水分補給しながら、しばらくお付き合いください。本日は学期終わりの終業式を迎えました。この1学期、学習は当然のこととして部活動や地域協働学習など様々な場面で皆さんの頑張りを確認できたことを大変うれしく感じています。とくに探究学習についての皆さんの頑張りが山陰中央新報のこだま欄に掲載されているのを知った時には、本当に感激しました。1年生は是非とも読んで、自らの探究活動のヒントにあるいは先輩たちがもう少し踏み込みたかったことを引き継いで形にしてみるなど、刺激をもらって自らの学びにつなげてほしいと思います。
今日はひとつお話をさせてください。
あっ、その前に皆さんにはお知らせしていませんでしたが、4月に着任して早々、本校のHPに「校長のひとりごと」というコーナーを作りました。実は皆さんや先生方に伝えておきたいことや考えてみてほしいことなどを適当に、いや適切にアップしています。よければ夏休みに読んでもらえればうれしいです。よろしくお願いします。
さて、先々週あたりでしたでしょうか2年3組の自習時間におじゃまして、その際に「なぜ空は青く見えるのか」をテーマに15分程度お話しさせていただきました。2年3組の皆さんは一度聞いた話になりますがお許しください。ちなみに皆さん「なぜ空は青く見えるのか」あるいは「虹はなぜ七色なのか」と問われればどう答えますか。
~静かな時間~
これを科学的に説明するなら「光の波長 青色は拡散しやすいから」「プリズムの仕組みは」「そもそも人間が認識できる色は赤橙黄緑青藍紫 赤外線とは 紫外線とは」などになります。このICT時代、ググればそれなりの答えは出ますよね。ここで少し条件を変えます。保育園に通うくらいの子どもたちにあなた方が同じ質問をされた際にはどのように答えますか? 「大人になったらわかる」なんていうごまかしめいたものもあるかもしれませんが、まさかプリズム、光の波長の仕組みは…なんて答えませんよね。私の教え子で保育士をしている方と会ったときに「先生、本当に質問されました。授業のあれを!」、「なぜ、空は青いの?」と。彼女は「宍道湖のお水の色が映っているからだよ」と答えたそうです。その翌日、園外のお散歩の途中「先生、青色って何?」との質問がきたそうです。答えに詰まり、お散歩途中の信号機を指さして「あれが青だよ」と言ったところ、「あれは緑だよ」と子どもの反応。彼女は子どもたちの“なぜ、どうして”のすごさを感じるとともに、自らも「確かに緑をなぜ青と呼ぶのか」という“なぜ”を感じ、同僚たちに聞いたり、自ら調べたそうです。
小さな子どもたちは毎日が「なぜ、どうして」の連続です。この「なぜ、どうして」が、私たちの知的好奇心のスタートとなり、様々な世界へ私たちを導いてくれます。皆さんは今10代半ばから後半に差し掛かったところですが、小さいときには周りの大人を困らせませんでしたか?成長するにつれて、“なぜ”を聞くこと自体が恥ずかしい、調べることが面倒くさいと感じているなら、もう一度あの頃に戻ってみませんか。授業中や日常生活でふと「なぜ、どうして」を感じたら質問したり、調べてみませんか。皆さんのこれからの可能性をより広げてくれるかもしれない「なぜ、どうして」を呼び起こし、大切にしてみませんか。
最後になりますが、終業式を迎えたとは言え、3年生は補習、1.2年生は部活動などまだまだ忙しさが続きます。夏休み期間中、健康には十分留意して過ごしてください。また始業式後の学園祭準備や学園祭の際に臨時休校などの措置とならないよう、コロナ対策もしっかりお願いします。2学期始業式で皆さんと元気に会えることを願っています。