*書き起こしのため、一部抜粋、改編しております。
*長文ですが、お付き合い願います。
                                         

本日はお忙しい中、ご参加いただきありがとうございます。
4月1日付で本校校長職を拝命しました「野津」と申します。よろしくお願いいたします。3月末までは島根県立隠岐島前高校の校長として勤務しておりました。本来であれば新任校長は半年から1年程度はじっくり学校の様子を観察し、その後に動き出すものかもしれませんが、隠岐からこちらへ着任となり、加えて私出身も隠岐でございます。「言いたいことを我慢」、「ゆっくり構える」性格ではございません。といいますのも時間が経過すれば、3年生は卒業していってしまいます。対応できるものは可能な限りスピード感を持って提案させていただきたいと考えます。4月に着任し、さっそく本校ホームページに「校長室より」というコーナーを作っていただきました。私の考えや思いがご理解いただけると思いますので、お時間ある際にはチェック願います。様々、無理なお願いを重ねることも多いと思いますが、どうかご支援くださいますようお願い申し上げます。

さて、今年度の学校経営目標について、多少説明のお時間をいただきます。本校のグランドデザインの図をごらんください。(説明部分省略 https://www.hirata-h.ed.jp/about/2099)何はさておき、本校の特徴、学びの肝は何かと問われれば平成31年に平田商工会議所との連携協力に関する協定を結び、地域協働学習を推し進めてきたことです。勉強や部活動における努力は当たり前のこととして、このエリアを学びのフィールドとして、地域の方々の手厚い支援を受けながら、深い学びを行っている、これに勝るものはありません。今後もさらにこの活動を推し進めるために、保護者の皆様も生徒たちの応援団となっていただき、将来このエリアを中心として活躍してくれる人材を育成していきたいと強く思っております。学校経営目標について、昨年度前校長が大きな変更を加えましたので、今年度軸を変えることはいたしません。ですが、より具体的に高めていきたい点を追加しました。一つは「家庭学習時間の確保」です。先ほどの進路講演会でのお話しもありましたが、望む進路目標を達成するには、あまりにも時間が不足しています。お子さんはご家庭ではどの程度の時間、勉強に取り組んでいらっしゃいますか?もう少し観察してみると、本当に勉強をしていますか、実はスマホをかまっていませんか。家庭での時間に私たちは踏み込めませんし、現状の学習時間では望む進路目標に達する実力へ引き上げることも大変難しいと言わざるを得ない状況です。学校としても4月から家庭学習時間等の調査を行っています。いずれその集計データもお示ししますので、どうかご家庭でお子様とじっくり考えていただきたいと思います。

二つ目は「情報収集能力」情報リテラシーの獲得です。これは前任校でも感じていたことですが、探究活動において子どもたちの「やりたい」は理解できるのですが、進めていくためのリサーチ力が不足しています。自らが何かを進める際に何が必要な情報なのか、それをしっかり収集できていない現状があります。例えば成功例や失敗例探し、国内や国外での先行例、参考になる論文はないのか、まとめてしまえば似たような取り組みを探して学ぼうとしない傾向があります。ICTの情報や書籍や新聞などの情報をじっくり読み解き、その正誤を確認し、比較検討する力やそもそも今何が社会的な課題なのかを理解し、「自ら問いをたてる」力も今年度は地域協働学習の時間を中心に据えて育成していきたいと思います。

最後になりますが、今年度私は生徒に次の2点を伝え続けていきたいと思いますので、ご理解願います。一つは「元気ですか」の声がけを続けます。身体のみならず、前向きな心を維持してこそ「元気」は成立すると考えています。「おはよう」のあとにこれを付け加え、生徒との何気ない会話を重ねたいと思います。もう一つは「失敗をおそれない」です。前任校の生徒が「失敗を恐れ、何もしないことが、人生で最大の失敗だ」とよく言ってました。チャレンジすれば成功もあれば失敗もあります。失敗したときこそが大切で、後に一人でそれを抱え込まず、家族や友人あるいは教員と共有し改善策を考える、あるいはチームであれば乗り越えられることも多いと思います。失敗こそが自らを伸長させるものであると私は考えます。始業式や終業式でも自らの失敗談を語っていこうと思います。どうぞ、まずはこの1年よろしくお願いいたします。