平成28年度 第68回卒業式(3月3日(金))

今年度の卒業式を本校体育館で行いました。今年度は155名の卒業生がそれぞれの進路へ向けて巣立っていきました。

平成28年度 第68回卒業式(3月3日(金))
卒業証書授与
平成28年度 第68回卒業式(3月3日(金))

答辞

平成28年度 第68回卒業式(3月3日(金))

校長式辞

(前略)

 ただ今、155名の卒業生に卒業証書を授与いたしました。卒業生の皆さん、本当におめでとう。皆さんの一生の中でも、特別な今日という日を迎え、毎日の授業、学園祭などの学校行事、部活動で頑張っていた日々、何気ない日常の友人との会話など、3年間の学校生活での様々な場面が甦ってきていることと思います。人生で最も多感な青春時代を、奇しくも今年度創立百周年を迎えた、長い歴史とすばらしい伝統に輝く、この平田高校で学び、そして、良き仲間と共に過ごした日々の思い出は、これからの皆さんの人生において、きっと貴重な財産として、いつまでも心の中に生き続けていくものと確信しています。本日、本校を巣立っていく皆さんが、心身ともに健やかに、そしていつまでも幸せな人生を歩んでいくことを、教職員一同、心から祈っています。

 さて、皆さんは今まで12年間学校に通いました。この間に「なぜ勉強しなければならないのだろう」と悩んだことはありませんでしたか。様々な人や本が多くの示唆を与えてくれますが、問われれば、我々人間は、他の動物のように親より受け継ぐ本能だけで生きているわけではありません。人間が人間たる所以は、パスカル流に言えば「考える事」が出来るということです。もう少し丁寧に述べると「過去に学び、未来にそれを生かすことができる」動物であるということです。そのために私たちは「学ぶ」必要があるのです。人類が数百万年前に誕生して以来、営々と積み上げてきた壮大な営み、すなわち言語、哲学、社会の仕組み、自然科学や数学、芸術、生活様式等々、すべてをまとめて「人類の文化」と言っていいでしょう。この文化を身につける作業が「勉強」であり「学ぶ」ということなのです。この作業をしなければ、他の動物と変わらないのです。と、私はこう答えてきました。  今、社会に目を移すとき、国内外には様々な問題が山積し、グローバル化の進行とともに変化が大きく、将来が見通しにくい時代だと言われます。そんな時代だからこそ、過去からの延長線上で物事をとらえ、現在の状況を自らの頭で分析し、未来に向かって問題を解決する力が必要であり、何よりも多様な視点や価値観を身につけること不可欠です。そして、それは「学ぶ」ことでこそ身につけることができるのです。今までは、学校がその「学ぶ」場所のひとつだったのですが、これからは長い人生を通じてあらゆる場面で「学び続け」て欲しいと願っています。

 そのためにも、もう一つ君たちに伝えておきたいことがあります。それは「真実を見つける力」を培って欲しいということです。昨年、イギリスで「2016年を象徴する単語」として「post-truth、ポスト真実」という単語が選ばれました。「客観的事実が重要視されず、感情に訴えかけるよう加工された情報が流通し、社会や政治が混乱する状況」を表すそうです。これまで折に触れて、君たちに話してきたことですが、スマートフォンが普及して以来、アクセスできる情報が量、頻度ともに急速に増加しました。しかし、その中には真偽不明であったり無責任な情報が蔓延し、時として社会を惑わせ、混乱した受け手も安易に情報発信し、無意識のうちに人の心を傷つけるようなことが起きています。これからこのような情報氾濫社会と言われる世の中を生きる君たちだからこそ「必要な情報を引き出し、その真偽を見抜き、活用する能力」を身につけなければなりません。大変難しいことだと思いますが、パナソニックを創設した松下幸之助さんの言葉に「素直になれば、物事を色眼鏡で見ないようになる。本質が見えるようになる。そうすると過ちが少なくなる。融通無碍な人間になれる。」融通無碍とは「一つの見方・考え方にとらわれるのではなく、自由自在にものを見て、柔軟に考え、より良く対処できる。」ということです。この言葉に「真実を見つける力」を培うためのヒントがあるように思います。

 これから皆さんは、それぞれの道を歩むことになります。将来、人生の分かれ道に遭遇したり、高い壁に突き当たって悩んだりすることがあるかもしれません。その時にこそ、多様な視点や価値観を持っていれば、きっと困難な状況は乗り越えられるはすです。そして、何かと「対立と分断」が目立つ昨今、違った考えがあることは当然として受け入れ、しかし、「相手を理解し、尊重し、心と力を合わせて、ともに助け合い、より良い方法を見つけ出していこう」という考え方が、きっとこれからより大切になることでしょう。人は他者のために、自分の力を発揮しようというときこそ、強くなり、そして、自分自身の人生がより幅広く、豊かなものとなっていくのではないでしょうか。どうか卒業生の皆さん、与えられるものだけではなく、自ら求めて「学ぶ」という姿勢を持ち続け、「真実はどこのあるのか」を見つけることのできる感性を身につけ、自分自身のために、そして社会のために力を尽くせるような人生を築き上げて欲しいと心より願っています。

(後略)

                                                                                  平成29年3月3日
                                                       島根県立平田高等学校長                                                                                                                                                井 村  孝 之

島根県立 平田高等学校

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